2017年06月02日

Prophets Of Rage / Unfuck The World

 Prophets of rage

Unfuck The World !

向かうべき場所がある。音楽で戦うことができる。無関心から奮い起つ瞬間。それだけの曲だと思う。プロフェッツ・オブ・レイジの新曲。MVはマイケル・ムーアが監督。

■Prophets Of Rage / Unfuck The World


改めまして、プロフレッツ・オブ・レイジはヴォーカルのザック・デ・ラ・ロッチヤを除くレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのメンバー、パブリック・エネミーからチャックD、DJロード、サイプレス・ヒルからB-リアルによって結成されたバンド。9月にはいよいよアルバムをリリースするとのこと。

■Prophets Of Rage / Prophets Of Rage



at 23:55|PermalinkSOUND OF 2017 

2017年05月26日

Heavenstamp『天国印鑑を聴きなさい』

最近初めてライヴを観て胸を撃ち抜かれたバンドがいる。長い間音楽と向き合っているけど、なかなかないレベルで。

Heavenstamp

ヴォーカル&ギターSally#CinnamonとギタリストのTomoya.Sによる2人組Heavenstamp。

彼らはブロック・パーティーのギタリストであるラッセル・リサックの全面協力を受けて、2011年に一度メジャーデビューしている。ブロック・パーティ―は2004年にデビューしたイギリスのバンド。1980年代のポスト・パンクが90年代のオルタナ・ロックのフィルターを通り進化するダンス・ミュージックのグルーヴと出会った当時のポップ最先端。ケリー・オケレケのヒップに躍動するヴォーカルと、ときに切れ味鋭くときに優しく空間を彩るラッセルのギター・サウンドが特に斬新だった。この曲は2004年〜2006年辺りは特に、ロック・クラブで鳴らない夜はないくらいにかかっていた。

■Bloc Party / Banquet


それとぼぼ同タイミングがこの曲。

■Franz Ferdinand / Take Me Out


なんかもう、この2曲だけで激動の00年代、すごいものがうごめいていた感じしませんか?ちなみにブロック・パーティはフランツ・フェルディナンドにデモを送ったことも大躍進のきっかけのひとつ。

そして時を経て2011年。Heavenstampはラッセルらと共に作り上げたセルフ・タイトル・デビュー・アルバムをリリースする。MVではなくあえてラッセルも映っているライヴ映像でシングル曲を紹介。

■Heavenstamp / Stand By You


先輩ブロック・パーティーやフランツ・フェルディナンドら00年代勢から受けた刺激も、レディオヘッドからの影響も、Sally#Cinnamonという名前通りストーン・ローゼスへの憧れも堂々と披露。インディペンデントなロックを志向する人にありがちな見栄や気取りもなく、この手のロックだと食べていくことが難しい日本で必死に戦おうとする姿勢をビンビン感じる。でもやっぱりちょっとカッコつけっていう。人間臭い、素晴らしい。

僕は当時ラジオ局に出入りしていたのですが、実際ここから登ってきそうな雰囲気はあったように記憶している。しかし彼らはなぜかメジャーの舞台を降りた。2014年にミニ・アルバムをリリースしているがこの頃には新たな若いバンドがどんどん出てきていた。タイミングが悪い。

では2人は音楽家として何をしていたのか。これがけっこうびっくりな話。

■Superfly / 99


■Superfly / Good-Bye


これらはTomoya.sが作曲、ほかにも多数。Sally#Cinnamonもアルバム曲やシングルB面曲に歌詞を提供している。

ここまで紹介した音源を通して聴いてみると実に面白い。パンクやポスト・パンク〜オルタナ〜00年代インディー・ミュージックからの影響を、Superflyの持つ70年代ロックやブルーズ、ソウルフルなテイストにもはめ込みアップデートに貢献。そしてJ-POPといういろんな意味で”圧が凄い”音楽とも真摯に向き合ってきたのだろう。好きじゃなきゃできない。ただのロック馬鹿だ。人間臭い、本当に素晴らしい。

何があってこういう経緯を辿ったのかわ知らないけれど、そりゃまたバンドをやりたくはずだ。2017年5月Heavenstampは5年振りとなるセカンド・アルバム『天国印鑑を聴きなさい』をリリースした。

tenngokuinnkann
この5年で時代は変わった。インディー・ロック、ギター・ミュージックが世界の表舞台からほとんどなくなった。若者の間ではロックが根強い日本だが、そことはまた異なる。Heavenstampの二人もそのことは分かっていると思う。それでもあらがえないインディー・ロックからの影響に素直になってやりたいことをやりたいという意欲。しかし”分かる人に分かればいい”というニュアンスとは違う。「聴きなさい」という言葉は広く世の中に向いている。それだけの力がある歌とギターとビートが鳴っている。

その思いは奇しくも「ギターミュージックを奈落の底から救い出す」と宣言したこのバンドとタイミングを同じくした。

■Kasabian / You're In Love With A Psycho


■Kasabian / Are You Looking For Action


元々なんだったらちょっとダサいくらいのポップ性を持っているカサビアンですが、最新アルバム『For Crying Out Loud』ではさらに振り切った。オーセンティックなロック、ポスト・パンク、ディスコ/ハウス・ミュージック、サイケなどのポップで美味しいところを見事にミックスしたなんとも明快な作品が、エド・シーランのチャート連続1位記録を止める。なんてかっこいいんだ。このスターの奮闘をちゃんと追い風にしていくのが僕のようなDJの仕事だとすれば、そこに乗る作品として『天国印鑑を聴きなさい』を薦めたい。

■Heavenstamp / Plastic Boy Plastic Girl


サビ前のタメが分かりやすいんですけど、もうカッコよさぎりぎりセーフかダサさぎりぎりアウトかのボーダーをダンサブルに行く。このスリルにロックンロールのエンターテイメント性とインディペンデントな魂を感じて興奮するんです。すなわち迎合的なポップミュージックより全然生々しくてポップ。

■Heavenstamp / Around The World


これはSally#Cinnamonのちょっと鼻にかかったような色気ある声と誓いのパワー漲る歌を前面に、壮絶な気持ちの葛藤からその先のユートピアまでを描くサウンドのマッチングが身に沁みる。

動き出そう。ロックンロールが勝つ日のために。

6月16日渋谷WWWで会いましょう。

Heavenstamp Official Web Site




at 13:11|PermalinkSOUND OF 2017 

2017年05月25日

ロック・クラブ体験記◆鼠粒據λ楽後編

前編では僕がクラブに通い始めた1990年代後半〜2005年までのロック・クラブにおける洋楽と邦楽のかかり方について書きましたが、今回はその後編。

前編はコチラ

「2010年以降状況は激変。それは良いことではなかった」と締めての続き、何が良いことではなかったのか?それは当時僕が拠点にしていた大阪のクラブが「店が客に無許可でダンスをさせてはいけない」という風営法の元、次々と警察による取り締まりを受けることになるのです。

今は改正されましたが(それでも問題は残っている)当時の風営法に基付いて簡単に説明すると「一定の条件を満たしたナイトクラブは許可を取って初めて深夜1時までなら客にダンスをさせてもよい」ということなので、そもそもオールナイトでガンガンやっている場所は基本的に違法、許可が取れていないならいつ何時も違法という理屈です。

そして同法によって摘発を受けた梅田は中崎町のクラブNOONの元店長金光氏は裁判を起こしました。僕も風営法について学びながら傍聴にも通いました。結果は勝訴。NOONがやっていたことは風営法によって取り締まられるものではないということになりました。NOONに警察が入ったのは2012年、この結果が出たのは2016年のことです。

風営法に対する思いはTwitterなどでもずっと発信してきたのですがまたいずれまとめたいと思います。ではこの間に大阪のロックがかかるクラブ・パーティの状況はどう変わったのか?まず代表的なパーティがほぼ全てそれまで通りには開催できなくなりました。NOONでのPUBLIC CAFE、KARMAでのCLUB SNOOZER、ROCKETS〜LUNA CLUBのGROOVER、ATLANTIQS〜TriangleのFREE AGAINなど。僕がDJをしていた心斎橋ROCKROCKはまたちょとニュアンスが違うヴェニューなのでパーティは変わらず続けていましたが、あくまでバーのBGMというスタンスで音量などを考えてやっていました。最も大変なのは店。みんないろいろと心苦しさもありながらだったと思う。それぞれのDJがやり方を模索する時期に入ります。

そしてロック・クラブが好きだったお客さんの遊び場が激減する。そういったパーティをモデルに自分たちも何か始めてみようという意欲ある若者もほとんどいなくなった。のべ相当な数の人が動いていたのでそこいらのメディアよりも音楽の発信地としての影響力も強かった。僕もそう。読み物も好きだけど、単純に音源の情報となると90%は街の専門レコード屋さんとクラブだったからもうどうしていいやら。

と苦しいこともありましたが、近年は上記に挙げたパーティやそこにいたDJも、また新たな形を作って走り出しています。それぞれに考え方や方針があるのであとは現場に足を運んでみてください。ロックやポップ・ミュージックのことを知りたければめちゃくちゃ楽しいから。また単純に難しいこと抜きに音の鳴る場で夜通し遊ぶとスカッとするので。

前置きが長くなりましたが、テーマの洋楽・邦楽に戻します。クラブがそんな状況の中、クラブとは関係のないところから新たに出てきた流れがありました。それは今のROCK IN JAPANに代表される日本のアーティストのみが出演するフェスやライヴハウスからの影響で出てきたDJです。

そこには様々なスタイルがあります。出所はそこでも洋楽にシフトを置いたパーティも、”洋楽も”かかるパーティもあれば、”邦楽ロックDJ”、”邦楽ロック専門イベント”なども出てきました。邦楽中心でもそうは打たない人もいます。フェスの疑似体験的なことを打ち出すパーティもあれば、自分たちの地元のシーンを作るようなイメージでやっている人もいます。

といった感じで一概には括れないんですが、クラブ初のDJが洋楽邦楽にボーダーを引かないことに対し、邦楽を意識するDJが増えたことは間違いない。

そして、クラブとフェス/ライヴハウスは根本的に楽しみ方が違うので、DJのプレイスタイルやパーティに対する考え方に差もあります。ざっくり言えばクラブはそこに音が”ある”ことが楽しみ。フェスやライヴハウスはラインナップの中心がバンドにあるので”観る”ことが楽しみ。そこでDJはバンドと同じ”アクト”なのかバンドとバンドを繋ぐ役割になるのか。基本的にクラブ発のDJにそういう概念はありません。

だから両者がクラブでもライヴハウスでもいいんですが、同じ時間帯同じ場所でDJだけでパーティをやっても異質のものになる。基本的に長時間のプレイで選曲を練り波を作って場所の雰囲気を作るクラブのレジデントDJと、短いワンセット全力投球型で爪痕を残さんとするフェスやライヴハウスのDJということ。僕が後者のパーティに初めて行った時はDJ、お客さんの音楽に対するひたむきさとパワフルさにびっくりしましたが、正直疲れた(笑)

では、クラブ出身のDJとフェス/ライヴハウス出身のDJの関係性はどうなのか。互いに全く共感できない、互いをリスペクトしている、互いの存在すら認識していない、認識はしているけど興味はないなど様々です。両方を行き来するDJも多くいる。双方の雰囲気を知っているからこそのボーダレスでオリジナルなパーティもある。

では僕が2010年以降のフェス/ライヴハウス出身のDJたちに出会わなければ知らなかった、もしくはそこに行かなければフロアでの楽しみを知らなかったナンバーを紹介。断わっておくと、あくまで僕がそこで体験したという話でアーティストの意向や方向性とはなんら関係はありません。

■夜の本気ダンス / WHERE?


この曲はまじでビビった。震えた。僕の視点からは新人類。そのパワーを感じた。

■Czecho No Republic / No Way


武井 優心と山崎正太郎が在籍していたVeni Vidi Viciousは知っていたのですが、繋がらなかった。インディーな香りもするしメロディがきれいだし、あろそうでなさそうな感覚が好きです。そして自分もよくかけるように。

■ストレイテナー / KILLER TUNE


ストレイテナーは元々めちゃくちゃ好きだったのですが、自分が通うクラブではかからなくてたまに自分でかけるくらいだったから、いい流れでかかった時に何かを取り戻すように爆踊りした。

といった感じ。結局自分の周りでは「こういうことがあったよ」という本当に体験記なだけで、何が言いたいのか分からなくなってきましたが、まさかクラブとは別のところからクラブに行ったことがないDJがぼんぼん出てくるなんてそれ以前は思ってもいなかったので、この先はどんなことが起こるのか楽しみだということ。

ただひとつ苦言を言うとすれば、前編の冒頭でも軽く触れましたが、みんな思いを持ってやっているのは分かるのですが、僕は洋楽邦楽という分け方自体が苦手。DJが”邦ロック・セット”とか”邦ロック・イベント”という言い方をするのは嫌だな。ちなみにクラブDJで洋楽DJとか洋楽セットと言う人には会ったことがない。多くの国内アーティストのみのフェスで、フィジカルでビートが単調で即効性が強く目に言える一体感や盛り上がりが大きい音楽を”フェス向け”と提示するのも苦手。フジロックやサマソニや世界のフェスじゃそれは概念のごく一部。もしくは通じない。

なぜ嫌なのかと言うと、そこに日本人としての強みや音楽や文化的なにおいを感じないんです。だから”邦ロックって何?”と聞かれても面白い説明ができない。日本にロックはあっても”邦ロック”という音楽は存在しない。ロックなんだからいつだって世界の中で輝ける可能性がある。なのにただ日本人というだけのポリシーなき括りはネガティヴな鎖国になっちゃう。

セレクターは発信者。ちょっと角度ややり方を変えれば、もっと音楽的に豊かな広がりを持てる可能性は、みなさんの方が僕なんかより全然あると思う。実際いろんな音楽に出会わせてもらったし。だからあえて言わせてもらいました。

ロックンロールにはDJには素晴らしい未来があります。では。


at 13:59|PermalinkCLUB HISTORY | CATALOGUE
NEW PARTY!
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Target!

2017年9月23日
場所:大阪NOON+CAFE
時間:17:00〜23:00
チケット:前売り3000円(別途1ドリンク代/8月5日よりプレイガイド・NOON店頭にて発売します)
■LIVE
DATS/HAPPY/Heavenstamp/MIssissippi Khaki Hair
■DJ
TAISHI IWAMI/ナカシマセイジ(Alffo Records)/Banchan(FM802)/Higu(mogran'bar)
■問い合わせ先
IN THE FLIGHT inc.
NOON+CAFE